7回目ですが、8年ぶりの中国旅行(2012.8.24〜31)です。山西省に多く残っている古い寺院や石窟寺院をメインとして旅行してきました。結果として、世界遺産3つを回る旅でもありました。今回の旅行の手配は北中国京国際旅行社日本部の方を窓口にこちらで考えたコースで行けるかどうかメールベースでやりとりしながら調整して決めました。後で分かったことですが、こちらの考えたコースが可能かどうか、無理かどうかなど意見を頂いていたのは、太原空港に迎えに来て頂き、大同空港まで送り届けて頂いたガイドの于鉄奇さんでした。 最初の予定には入れずその場でと言うか時間があったときに入れるのをお願いして追加したり、于さんのお薦めで入れたところを含めて、次のコースで見て回ってきました。 |
8/24(金)自宅から平遥への移動 自宅出発5:25→津セントレア6:00→6:45中部国際空港9:20→北京11:55 CA160 北京15:25→太原16:25 MU5270 太原→平遥 平遥泊 洪善駅賓館 8/25(土)平遥観光 県衙(旧県役場)、城壁、文廟、城隍廟、恵済橋、清虚観、日升昌、市楼 双林寺、鎮国寺 平遥泊 洪善駅賓館 8/26(日)平遥から太原への移動と途中の観光 喬家大院(祁県民俗博物館)、天龍山石窟、晋祠、山西博物院 太原泊 山西大酒店 8/27(月)太原市内観光後、五台山への移動と途中の観光 崇善寺、双塔寺 南禅寺、広済寺、尊勝寺、仏光寺、金閣寺 五台山泊 花卉山荘 8/28(火)五台山観光 菩薩頂、顕通寺、塔院寺、万仏閣、碧山寺 金閣寺、竹林寺、龍泉寺 五台山泊 花卉山荘 8/29(水)五台山から大同への移動しながらの観光 応県木塔、懸空寺、恒山 大同泊 大同賓館 8/30(木)大同観光 観音堂、雲崗石窟、九龍壁、華厳寺、善化寺、城壁、大同雁塔 大同泊 大同賓館 8/31(金)大同から帰国 大同9:20→北京10:30 CA1120 北京17:00→中部国際空港21:00 CA159 中部国際空港22:00→津セントレア22:45→自宅 |
中国で古い木造建築の古いランキングで次の一覧の太字のところを回ってきました。
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![]() 文廟 大成殿 |
文廟は科挙博物館となっていて、科挙の答案などが展示されていて、建物として「大成門」「大成殿」「明倫堂」「尊経閣」などがあり、大成殿は金大定3年(1163年)に建てられ、中国でも古い大成殿として山西省重点文物に指定されているとのことでした。科挙についての博物館と言うことか、登「龍門」があり、観光客はそこをわざわざそこを通っていました。
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![]() 文廟 龍門 |
![]() 城隍廟 城隍殿 |
城隍廟は街の守護神をまつる廟で、建物としては城隍廟の左右に竈君廟、財神廟などが並んでいます。舞台と観客席からなる戯楼もあり、そこでは影絵の人形劇が上演されていました。 |
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![]() 崇善寺 |
崇善寺は大原市内のお寺で、ホテルの近くと言うこともあり、訪ねたときには朝のお勤めの時間で大きな大悲殿は人でいっぱいで、あふれた人がお堂の中のお経にあわせでお経を唱えていました。市内でお寺として機能している唯一のお寺で、お年寄りであふれていました。 双塔寺は永祚寺というのがお寺の名前として正式の名前ですが、塔が2つあると言うことで、双塔寺と呼ばれています。双塔寺のお堂や塔など建物全てレンガ造りというメッチャ特徴のあるお寺でもあります。牡丹の花壇は立派で花の時期に来れば、綺麗だと思います。レンガ造りのお堂も立派でしたが、2基の13重の塔は立派で見応えがありました。私が目にしたガイドブック、HPはほとんど最上階まで上がれるとどれも書いてありましたが、11層まで階段であり上がれました。階段もないのにどうやって上がるのでしょうね。上った方でない塔は上まで上れるのかもしれませんが、1つだけ11階まで階段があるとの中国の観光案内サイトがありましたので、たぶん、11階までなんだと思います。(^_^;) お寺としては良かったですが、それよりも何よりも大原の空気が汚く、画像の向こう側の塔が少し霞んでいるのはそのためかと思います。この旅行では一番空気が汚かったこの日から治まっていた喘息が出るようになってしまいました。 |
![]() 双塔寺大雄宝殿 | |
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![]() 南禅寺大殿 |
南禅寺は忻州市五台県東冶鎮にある小さなお寺です。田舎にある小さなお寺と言うことで、唐代の会昌の廃仏を逃れて残った唯一の仏教建築物で、782年に再建された大殿が中国で一番古い木造建築物として残っています。堂内の塑像も唐代のものでいいものかと思いますが、残念なことに小さな2体が強盗に持ち去られたと言うことで引きちぎられた跡が痛々しく残っていました。 南禅寺から広済寺に向かう途中でお昼となり、道路沿いの食堂に入りました。ロバの肉の鍋があると言うことで選んだ食堂です。中国の田舎の食堂はふつう日本人の胃には過酷な場所かと思いますが、鍋物と言うことで加熱すればそういうこともないということで、食べてしまえばどうということもないですが、始めてロバの肉を食べました。看板の真ん中の馬偏に戸の文字がロバです。 広済寺には大雄宝殿に創建時の30体の塑像が残っていて、華厳三聖の形式の本尊があるとのネット情報から訪れましたが、左のように解体修理中で残念でした。大雄宝殿は中国の全国重点文物に2001年に指定された建物ですから、2013年5月末に予定通り修理が済めば立派になるのだと思います。修復中の写真しかありませんので、「旅遊・撮影・古建築」というブログでの広済寺を紹介させて頂きます。 |
![]() ロバの肉の鍋 |
![]() 広済寺大雄宝殿 |
![]() 食堂の看板 |
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次に金閣寺に向かいましたが、土砂降りの雨があった後で、少し遅い時間に行ったため、雨の中を高い階段を上りましたが、上がったところで、ちょうど管理人さんが帰る車の後ろ姿を見るタイミングで、当然、中には入れませんでした。ここは日本人でただ1人三蔵となった霊仙が修行をしたお寺とのことで、1987年に建てられた顕彰碑がありましたが、残念ながら泥だらけでした。 |
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五台山の観光の日です。五台山台内は原則自家用車での観光禁止と言うことで、南の高速道路からの入り口には大きな駐車場があって、原則通り車は通さず、シャトルバスを利用する形ですが、私たちが五台山に向かった金閣寺の前を通る山越えの道は駐車場がなく、この道からは車は入れますが、車で回っていて、警察に捕まると罰金と言うことで、シャトルバスを利用しました。ただ、同じホテルを朝出るのにシャトルバスを待っていたのは私たちだけで、他の宿泊客は車でどんどん出発していきました。 |
![]() ![]() 顕通寺は寺伝では漢代の創建とも言われる五台山の中心寺院です。伽藍には中軸線上だけでもたくさんのお堂が建てられていますが、なかでも大雄宝殿(木造)、無量殿(レンガ造)、銅殿(真鍮製)の3つが有名です。銅殿は金めっきが施されて金色になっています。 |
![]() ![]() ![]() 塔院寺にはもう一つ小さな文殊髪塔とも小白塔とも呼ばれる塔があり、文殊菩薩の髪の毛が納められていると言うことでしたが、言い伝えと言うことで、・・・・・また、この塔の高さも7mとか10mとかあってよく分かりません。(^_^;) |
![]() ![]() 塔院寺や万仏閣の南側には広場があり、そこからは菩薩頂から続く寺院群や周りの丘の上にあるお寺などがよく見えました。 今回の旅行で参考にした小学館2005年発行「中国悠遊紀行14」の16ページの万仏閣の写真は間違って尊勝寺の写真が使われています。古くなってしまった本で、余計なお節介かとは思いますが、・・・・・(^_^;) |
![]() ![]() 碧山寺へのシャトルバスは大型のシャトルバスの終点が顕通寺の東側あたりにあり、万仏閣の後で広場からの眺めを楽しみ、その後、近くの食堂で食事を取ってから、道路に出ましたので、バスの乗り継ぎが必要と言うことと時間がかかりそうと言うことで、白タクで碧山寺まで来ました。帰りも門の前でしばらく待っていてもシャトルバスはなかなか現れず、ガイドさんが客がいっぱい待っていることを電話で伝えると、そば屋の出前よろしくもう出たとか言う話で、しばらくして、バスに乗れました。碧山寺からはバスを2回乗り換えて、ホテルまで戻ることができました。ガイドさん曰く、前まではシャトルバスで何の不自由もなかったが、今回は懲りた、車を使えば良かったとのことでした。 ネットでのニュースによると五台山は2012年5月より7000万元をかけて寺院の修復、環境整備に乗り出したとのことで、五台山台内では道路の工事とかをいっぱいしていました。工事としてはトイレが昔の中国のままの大きい方も床に穴が開いているだけ(書くのもはばかられる様な状態のところもあって・・・)でしたが、片っ端から工事中で2013年には、全部が水洗トイレに衣替えして、道路も拡幅されて綺麗になっているのではないかと思います。台内で利用したトイレとしては碧山寺前のトイレだけで水洗化されていました。 |
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![]() ![]() ![]() 龍泉寺は龍を封じた泉があると言うことで付いた名前だそうです。多くのお寺にあるのが、108段の階段でここの上には石の彫刻でできた牌坊があり、その北側に天王殿、観音殿、大雄宝殿と1列に並らんだ、山西省の文化財に指定されているお寺です。 |
![]() ![]() 東台頂への登り口の峠から北側はガイドさんの于さんも見たことがないという程の晴天に恵まれ、いい景色でした。v(^_^) | |||||
大同への移動しながら途中の観光地に寄るという移動日ですが、応県の木塔と懸空寺の2つが今回の中国旅行のメインイベントの日でもありました。計画では恒山→懸空寺→応県の木塔と回る予定でしたが、それでは食堂がないと言うことで、逆コースにしました。五台山へと向かうときには南禅寺から五台県に向かう途中で小さな食堂でロバの肉を食べましたので、そんな心配はいらないとは思いましたが、しゃぶしゃぶのおいしいレストランが応県の木塔の前にはあると言うことで、まずは応県の木塔に向かいました。五台山の空港を五台山から見ると西に山を越えたところに計画中と書きましたが、鉄道の五台山駅は北側に山を越えたところにあります。
応県の木塔(仏宮寺釈迦塔)は1056年に建てられた中国最古で最大の木造の塔とのことですが、塔は次第に傾いています。9層の木造の上にある塔刹まで入れた総高は67.3mもあるとのことです。古いガイドブックほど上まで上れるように書いてありますが、右の大きな塑像がある一層目の中に入れるだけでした。西側からの塔の写真の三層目の右側(南西側)は柱がけっこう傾いているのが分かるかと思います。直接上層部の荷重を受けている柱ではないはずですが、大変な傾き方かと思いました。20年ほど前から解体修理を請け負う業者を世界中から募集しているが、難しいと誰も応募せず、その間にどんどん傾いているとのことで、このままでは1000年近くの間、大地震にも耐えてきた巨大な塔が崩壊するのでは思います。
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![]() ![]() ![]() お寺としての創建は6世紀、北魏の末期とのことで、その後、金、明、清代に修復が繰り返され今に至るそうです。一番高い位置にある三教殿には釈迦、老子、孔子の三尊があり、仏教、道教、儒教の混淆したお寺です。 | |||||
![]() ![]() 5時にはロープウェーに戻らないと歩いて駐車場に戻る羽目になるので、左の写真の真ん中の右下あたりまで、ざっと見て回っただけとしました。ガイドさんの話では今も香港や台湾のお金持ちの寄付による建物が崖の途中にできているという話でした。 懸空寺の近くのインターから大同までの高速道路が開通していました。ただ、トンネルの中の照明もまだないなど最終的に完成していない状況での開通で、使っている車も少なくがらがら状態で、昼食場所のために若干遠回りのコースに変えましたが、時間的にはこの方が近回りになったかと思います。 |
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![]() 西部石窟群 |
![]() 中部石窟群 |
![]() 東部石窟群の第3窟周辺 |
![]() 第1窟 |
![]() 第2窟 |
![]() 第3窟 |
![]() 第5窟 釈迦牟尼坐像 |
![]() 第8窟 金翅鳥に乗った鳩摩羅天 |
![]() 第8窟 白牛に乗った摩醯首羅天 |
![]() 第16窟 如来立像 |
![]() 第17窟 菩薩交脚像 |
![]() 第18窟 右脇侍 |
![]() 第18窟 如来立像 |
![]() 第18窟 左脇侍 |
![]() 第18窟 如来立像正面 |
![]() 第19窟 |
![]() 第20窟 |
![]() 第20窟 |
![]() 第20窟以西の西部石窟群 飛天 |
![]() 第20窟以西の西部石窟群 飛天 |
![]() 第39窟 塔廟窟 |
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![]() ![]() 善化寺前に大同の城門がありそこから城壁に登りました。城門から雁塔まで歩きましたが、観光客は数組のみ広い広い城壁はひと気が全くないとは言いませんが、ガランとしていました。城壁の内側は綺麗に完成していますが、外側はごらんの通り大工事現場となっていました。城壁が全部復元完成すれば、かなり見応えのある観光施設(新しく作ったもので、観光客が来るかどうかは分かりませんが、・・・・(^_^;))になるかと思います。 |
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![]() ![]() ![]() これで1週間にわたる今回の旅を終え、後は帰国するだけになりました。 |
朝一番ホテルの朝食を取って、ホテルを出て、北京へ移動し(大同9:20→北京10:30 CA1120)ましたが、夕方の便(北京17:00→中部国際空港21:00 CA159)ですので、市内のスーパーでおみやげを買って(交通費を考えると全く割には合わないですが、・・・・・(^_^;))、時間通りに飛行機に乗りましたが、着陸が何故か50分程遅れて、空港から船で津に戻る最終便が22発と言うことで、離陸したときには船で帰ることをあきらめていましたが、着陸したのが、21:20頃でこれは間に合うかもなんて、期待を抱いていたら、ターミナル直前で停まってしまい、21:40過ぎにやっと飛行機を降りることができ、旅行バッグがすぐに出てきたこともあって、入国手続きも順調に済んで、船着き場まで走りに走ってぎりぎり間に合いました。一緒の飛行機で、一緒の船に乗ろうとしていた何人かと一緒に走りました。一緒に走った全員が間に合ったかに思いましたが、仲間が間に合わなかったのかおじいさん1人がせっかく船に乗り込んでいたのに船が出るときには降りていました。待ってやれなかったのかなぁとは思いますが、名鉄にまで戻って、電車で戻るのは大変でしょうね。
今回訪ねたお寺などの塔でここに載せなかったのも含めて、15塔を中国・韓国の塔のページ掲載してありますので、よろしかったらご覧下さい。 最後に、このページについて私が疑問に思っていたまま書いた点について2013年になってからも情報を頂いたガイドの于さんに感謝の意を示させて頂いて、終わらせて頂きます。 |